奥能登の清酒は知る人ぞ知る銘酒!酒蔵めぐりもおすすめ!

奥能登にはさまざまな特産品があります。 その中の一つとしてお酒が挙げられ、 さまざまな酒造があるのも特徴です。

奥能登にはおいしいお酒がある

奥能登は、食文化が豊かな「おいしいお土地柄」ということはご存知でしょうか? 日本海側に突き出た半島の先端にあるだけあって、地場で水揚げされた魚介類はもちろん、絶品のコシヒカリや野菜なども生産されています。

そしてそんなおいしい食材にぜひとも合わせたいのが、奥能登が誇るお酒です。
実は奥能登には個性豊かで、ワインでいう「テロワール」さながら、奥能登の気候や風土を溶け込ませた魅力的なお酒がたくさん造られています。

知る人ぞ知る事実ですが、石川県の能登は日本4大杜氏の一つに数えられる「能登杜氏(のととうじ)」が今も酒造りをしている超有名どころです。
しかも日本酒だけでなくワインやビール、焼酎など実に幅広いお酒が造られているのですが、ここまで1つのところに酒造りが集まっているのは、全国でも珍しいでしょう。

能登地域全体で見ても酒造りに関わる15社が連携した取り組みなどが行われていますが、中でも奥能登は「奥能登の酒プロジェクト」を立ち上げ、個性豊かな酒造りを支えています。

その中心には、老舗蔵元を引き継ぐ若い世代の経営者たちの雄々しい姿があります。 奥能登のテロワールを活かしつつ、それぞれの個性を打ち出したおいしいお酒を醸し続ける、銘酒の蔵元をご紹介しましょう。

数馬酒造(かずましゅぞう)

奥能登の酒プロジェクトのリーダーも務める数馬酒造の若き社長、数馬嘉一郎さんは、明治2年からつづく老舗酒造をけん引しています。

「醸しのものづくり」で能登の魅力を高めるという信念のもと、能登の美しい自然や文化、産業を次世代へつなぐために今日もおいしいお酒を造り続けています。

そんな数馬酒造のお酒は、とても清らかで柔らかいのが特徴です。
里山と里海に育まれ、丁寧に造られた美酒がいつも心を癒してくれるでしょう。

定番のラインナップは「竹葉」、中でもおすすめはもちろん「竹葉 特選大吟醸 美齢」です。 磨き上げ洗練された米の味わいと透明感は、2013年の能登杜氏組合自醸酒品評会 能登支部 吟醸酒の部で堂々の第1位を受賞しました。

この蔵元のこだわりは、酒造りの基礎となる米、味を決める仕込み水など原料にとどまらず、その酒造りの体制にも及びます。

2015年には醸造責任者に社員を据え、杜氏制の酒造りから社員がチームワークとコミュニケーションでクリエイティブな酒造りを目指す若い蔵元へと進化を遂げています。

数馬酒造のモットーは、「心和らぐ清酒(さけ)造り 心華やぐ会社(いえ)作り 心豊かな能登(まち)創り」です。
その信念どおり、地元で獲れた魚介類や野菜などと合わせ、奥能登を丸ごとじっくり味わえる美酒を生み出しています。

松波酒造(まつなみしゅぞう)

明治元年創業というまさに老舗を率いているのは、京都の大学を卒業後、金沢の酒造メーカーで修行を積んだ金七(きんしち)聖子さんです。

能登半島を活性化させるための「能登丼」ブランドの開発や奥能登の日本酒の魅力を発信する「奥能登酒蔵学校」にも携わり、2018年からは奥能登の酒プロジェクトでも活躍しています。

創業150年を誇る老舗酒造は、通常時は見学も受け付けているのです。
(2020年9月現在新型コロナウイルス拡大防止のため一時的に停止)
参加できれば、百年を超える木造の蔵を回り、旬のお酒を利き酒できます。
松波酒造の代表銘柄は、「大江山」です。

名前の由来は「大江山の酒呑童子のごとく豪快に酒を酌み交わして欲しい」という願いからで、近代的な酒造りではなく人の手を丁寧に加える工程を多く残して造られています。

蔵の中には井戸があり、ここで汲み上げた水が洗米に使われるのも老舗ならではでしょう。
米を蒸すにも和釜甑(わがまこしき)を使うという徹底ぶりで、酒を搾るときにも木製の槽(ふね)を使いじっくりと時間をかけて搾ります。

大江山は能登の風土とともに造られたお酒であり、能登半島の厳しくも美しい自然をその中に溶け込ませています。
先代の蔵人たちの味を磨きつつ、日本食だけでなくフレンチやイタリアンにも合うお酒に仕上げている腕には、もはやさすがとしか言いようがありません。

鶴野酒造 (つるのしゅぞう)

200年以上もの長い歴史を持つ酒造をけん引するのは、大学卒業後IT企業に勤めていたところをUターン帰郷した若き社長、鶴野晋太郎さんです。

お父様が亡くなられたことがきっかけですが、大学のときにはじめて味わった日本酒のおいしさに気づき、いつしか酒造りを手伝いたいと思うようになったそうです。

大好きな日本酒に関わりながら、お客さんと触れ合い、時代に合わせてスピーディに仕事を進めていく、鶴野酒造はまさに理想の働き方ができる環境だったと言います。

蔵元の代表銘柄は「谷泉」で、なんと若き女性杜氏が創業230年の伝統を守りながらしなやかな感性でお酒造りを行っています。 そのきめ細やかな心配りは、毎日酒タンクの醪に話しかけて見守り、我が子のように育てるという温かさです。

すべて昔ながらの製法で手作りし、そのものの味を楽しむため酒をブレンドすることや無理な味の統一化などは一切しません。
生まれたままのお酒を味わうためにできる限り火入れ殺菌はしないため、瓶内で生きている自然のままのお酒を楽しめます。

ハイディワイナリー

ここでワイン造りに奮闘している創業者、高作正樹さんをご紹介しましょう。
高作さんは横浜市出身で工学を学び、大学院では法学を専攻したという異色の経歴の持ち主です。

ワイナリー経営に乗り出したきっかけは、高校時代スイスに留学したときに訪れたワイナリーだったそうです。 ワインを造るだけでなくレストランや宿泊施設もある、まちづくりをやってみたいというのが夢の始まりでした。

そんな中、日本でワイナリーを設立する地に選んだのが、お父様の実家のある輪島市でした。 そこから畑を開墾し、ぶどうの苗木を植えるところからはじめ、ついに2012年にハイディワイナリーを立ち上げたのですから、まさに脱帽と言えます。

ハイディの名はアルプスの少女ハイジが由来とのことで、敷地にはパン工房やレストランもあり、除草剤や化学肥料など一切使わない土づくりから手摘み収穫でワイン造りを行っているのです。

通常時はぶどう畑と醸造所の見学も行っていて、奥能登の絶景を眺めながらテイスティングもできるという贅沢な時間を楽しめます。 半島の自然風土と丁寧な造り手の思いが込められた海のワインとその地の海と大地からいただく一皿で、ぜひ美食の体験をどうぞ。

数えきれないたくさんの酒造所があります

能登には、まだまだたくさんの名だたる酒造所があります。
奥能登酒蔵学校プロジェクトにも参加した櫻田酒造、中島酒造店、白藤酒造店、日吉酒造店など、文化が同じながら個性豊かな日本酒を手掛ける酒造ばかりです。

櫻田酒造の代表銘柄は「大慶 特別純米酒」、穀物の豊かな香りとさらりとした甘みが魅力です。

中島酒造店の代表銘柄は「能登の生一本 純米 伝兵衛」で、最も締まりのある余韻が特徴となっています。

白藤酒造店の代表銘柄は「奥能登の白菊 純米吟醸」、薫り高く、上品でふっくらした甘さと味わいが広がります。

日吉酒造店の代表銘柄は「純米酒 おれの酒」、口に含むと一気に香ばしさが広がり、後味の切れの良さがそれをさらに際立たせるでしょう。

まとめ

いずれの蔵元も老舗ばかりで、大正元年創業の日吉酒造店ですら比較的新しい酒蔵の部類に入ってしまうほど、長い歴史を誇ります。
こうした蔵元やワイナリーをめぐり、代表銘柄を心ゆくまで飲み比べ、その味わいを記録にまとめてSNSなどで発信するのも、現代ならではの新たな楽しみ方ではないでしょうか。

ぜひ酒造めぐりを楽しんでみてください。